塗装をする前に

表面の凹凸を均一化するパテ、フィラー類

無機質系下地の種類におけるその表面の種々の条件を均質化する目的で各種のシーラーに対して、表面の凹凸、不陸等を均一化する目的に用いられる材料としてパテやフィラ一類があげられる。
パテは、厚付け性、作業性、性能面とその要求があるが、品質設計上からみると、厚付け性、性能と作業性の関係は逆であり、作業性を良好にすると、その性能、特に耐水性、耐湿性は不良となる方向へ進み、悪化する。性能を向上するとパテ付け、研磨性等が不良となる。

いずれにしても、パテの使用はできるだけ少なくすることがよりよい結果が得られるものであり、美装上の要求に応じ最少限とすべきである。
パテの種類はシーラーと同様に展色材の種類によって3種類に大きく分類されている。
その性能は作業性が良好となるにつれ、不良となっていく傾向にある。

①成樹脂エマルションパテ

合成樹脂エマルションパテは、壁面における塗装において最も多く使用されている反面、事故の発生が多い材料である。
合成樹脂エマルションパテは組成的には展色材に合成樹脂エマルションを用い、非常に多くの配合量の炭酸カルシウムを中心とする体質顔料、充填材によって作られている。
これら組成から判断しでも、あくまでも、作業性と仕上がり性を中心に作られているため、性能的な要求はほとんど求められない。
事故の発生はほとんどが、性能的に耐水性、耐湿性、耐アルカリ性等を求められる部位、下地に施工した結果に生ずるものである。

これらの問題点が多く存在する材料であるが、仕上がり性を高度に要求されたりすると下地、部位、上塗りの種類に関係なく使用されてしまう。
合成樹脂エマルションパテの適性のある品質と仕様を確立することから、品質面にJISK 5669が最近設定され、品質面で、耐水型と一般型が設定され、それぞれに塗厚によって厚付け用、うす付け用がある。
耐水型は品質項目に付着性、耐水、耐アルカリ性を求める項目があるが一般用については、付着性のみであり、あくまでも仕上がり性を求める品質設計にとどめているため、建築の場合はほとんどが水と湿度に接し、また、アルカリ性下地がほとんどであるため、一般の場合でも耐水型を使用すべきである。

また、合成樹脂エマルションパテは、外部、準外部への使用は絶対に禁止すべきである。
上塗りする塗料は合成樹脂エマルションペイントのみとして、溶剤型の塩化ピニルエナメル、アグリルエナメル等の下地用として用いてはならない。
上塗りに通気性がないため、下地の水分によってパテが劣化し、”はがれ”を生じる危険がある。
いずれにしても、エマノレションパテの使用は十分に管理しなければならない。

②塩化ビニル樹脂系パテ

主に、塩化ビニル基重合樹脂を展色材とするもので組成的には、塩化ピニル樹脂エナメルが耐薬品性の要求民応じて使用されるために、体質顔料に耐酸性のない炭酸カルシウムの使用はできず、他の顔料が使用されている。
合成樹脂エマルションパテに比較し、耐水、耐アルカリ等の性能はすぐれており、外部とか内部の浴室など、水かかり部分への使用に適しており、特に神社仏閣などのコンクリート柱を中心に仕上げる場合多く用いられる。

しかし、乾燥性が早く、パテ付け作業性が悪く、厚付けしすぎると上乾きを生じ、ひび割れを起こしやすい。乾燥した塗膜は硬く、研磨性が悪いなど、性能で良好になると施工性が不良となるため、その使用が施工者から避けられてくる。
そのため使用しなくてはならない場合でも、他のパテを使用してしまうことも発生するため、仕様で明確になっている場合は施工管理上で十分に注意しなければならない。

③2液反応硬化型樹脂パテ

2液反応硬化型樹脂パテの代表は2液型エポキシ樹脂を展色材乙するもので、パテの種類の中で最もすぐれた性能を示す。
この他2液型としてポリウレタン系とか厚付け性がすぐれているポリエステル系などがあるが、これらは、耐アルカリ性が不十分であり、無機質系の下地用には用いられない。

2液型エポキシ樹脂パテは、他の系統のパテに比較し、耐薬品性にすぐれ、塗膜物性も良好で厚塗性も可能であるが、2液型であるため、施工性で2液の混合、可使時間、塗重ね時間、研磨性等の問題がいずれも大きく制限された中での施工で施工性が悪く、施工中の原因で事故の発生しやすい材料であり、施工、管理において、これら高性能のパテを使用する箇所は、部分的にも重要な性能を要求するから使用するのであるという施工目的を十分に徹底して行なうべきである。

④セメント系フィラー

コンクリートを中心とする建築構造壁体をはじめカーテンウオール部材などコンクリート面に、直接仕上げをする場合に、コンクリートの精度をいかに高く打っても、その表面には必ず巣穴、ジャンカ、目違いなどの不良部分が存在する。
これらの状態を平滑にし、なおかつ、耐水、耐湿のすぐれた性能を発揮させる目的で開発されたのがセメント系フィラーである。
特に従来なんの危険も感じずに施工していた外部へ使用した合成樹脂エマルションパテの塗膜にはがれが多発し、この開発に拍車がかかったものである。

セメント系フィラーはボルトランドセメントを主成分とする粉体と合成樹脂エマルションを主成分としている混和液のセットになっており、使用時にこれらを混合し、指定された水量を加えて使用するものである。
施工に対しては、それぞれの混合比を十分に守り、特に合成樹脂エマルションの混合比とか水を中途半端にして施工することは、硬化不良を生ずる結果となる。
セメント系フィラーは厚み2mm程度までは施工できるように品質設計されているが、あまり厚みを要求される箇所は合成樹脂エマルション入りセメントモルタルによる事前の補修が必要である。

セメント系フィラーの硬化は水との水和反応によるものであるが、モルタルと比較し塗厚が薄く、水の蒸発、下地の吸収性などによって、ドライアウトを生ずる危険があり、保水性と初期の接着性をもたせるため、合成樹脂エマルションを混和液として混合するものである。
混合する場合は液体中に粉体を徐々に加え”ママコ”のできないように均一に混合しなければならない。
施工上においては、水が急激に蒸発したり、下地に吸収されたりしないように注意し、低温時の施工においてはエフロレッセンスが発生しやすいため注意しながら施工をしなければならない。

外壁リフォームでは、塗料の配色や防汚、防塵といった機能を選ぶ期間が実に楽しいものである。その時、塗装会社は下地やその劣化具合を確認しつつ、これらの知識を駆使して塗料を選んでいるのである。


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