無機質系下地用,下塗塗料

無機質系とは

無機質系下地すなわち、コンクリートで代表されるセメント組成物は建築の主流であり、建築塗装の中心となっている。
無機質系下地に用いる塗装系における下塗塗料は、種々の目的によって使用されており、これらは、無機質の種類とその性質、および上塗塗料の種類、塗装の目的によって異なっており、各種類ある下塗用塗料の中より最適な塗料を選択しなければならない。

無機質系下地塗料への要求性能

無機質系下地が下塗塗料に求める性能は、次の事項についてあげることができる。

①下地特性の遮断機能

コンクリート、モルタル等のセメント組成物をはじめとする水硬性物質は塗装段階、および形成した塗膜に対して、種々の悪影響を与える成分が、これらが硬化すると共に発生しており、この影響を抑え塗膜に与えない役割が求められる。
すなわち、コンクリート、モルタル等においては水和反応によって硬化すると、水酸化カルシウムCa(OH)2を生成する。
生成した水酸化カルシウムはコンクリート内をアルカリ性として鉄筋の防食には大きな役割を果たしているが、塗装における表面層においては、アルカリによる影響を避けなければならず、このアルカリによって生ずるエフロレッセンスの

防止能力も求められる。

一方、水和反応に必要な成分として、存在する水は、硬化後のコンクリート、モルタル内と合水率によって表示されるものであるが、これら水分が塗装系に対して、付着力低下を起こさせることを防止するための付着力が求められる。
特に、塗装後これら下地内部に存在する水分は温度条件によって、表面層に水蒸気の状態で、圧力を強め移行してくるため、それら水圧に耐える能力が要求され、不十分な場合に、塗膜に”ふくれ”を生じさせる危険をもつ。

②下地の吸収性均一化

コンクリート、モルタル等をはじめ、これら無機質系建材は一般的に多孔質材料であり、吸収の強い性質をもっている。
この性質を均一になおかつ小さくすることが、塗装の仕上がり性をはじめ付着性などの塗膜性能を正規に発揮できる状態となる。

建材の種類によっては、吸収性が同一面内でばらつきのあるもの、全面に強いもの、また、全面に発生している小さなひび割れにおけるものなど種々の状態によるものがある。
これらの吸収性に対して、いかに対応できるかが下重りの目的となる。

③付着性向上機能

無機質系下地において、そのもの自体が軽量化とか不燃化などの指向のもとに開発された各種建材もあり、これらはその表面強度が一般に低く、ぜい弱なものとか、粉化性の強いものがあり、塗装系が付着性を発揮することなく、低い値のままであり、外力で容易にはがれを生ずる場合が多い。
また、表面は含水率が高く、表面がぜい弱な場合と同様、表面付着水によって付着力を発揮できない。
以上3グループに分け下地特性からくる下塗塗料への要求性能を示したが、これらは塗膜に対する化学的要求と物理的要求によって分類でき、下地のアルカリ、水分に対しては、塗膜の耐アルカリ、耐水性等の化学的性能によって塗料の能力を知ることができる。

また、吸収性、ぜい弱補強などについては浸透性、”ぬれ”また、付着性などによって塗料の物理的性能を知ることができる。
しかし、エフロレッセンスに対しては、塗膜の耐アルカリ性と付着カの化学・物理性能の両者が要求されることもある。
いずれにしても、下塗りとしての能力は総合的な性能をある程度以上は保持していることが求められる。